新澤誠治
作品を読んで、子育てにストレスを感じている母親が多い中で、子育てひろばがその一人ひとりの想いに応えた働きをしていることに、改めて感心しました。昨年は子育て支援の政策で子ども手当などの「現金給付」か支援サービスなどの「現物支給」かが話題になりましたが、やはり「現物支給」が大事ですね。また、「イクメン」が話題となり、父親が参加し交流会や絵本の読み聞かせを始めたという記録もありましたね。おばあちゃんも登場し世代間交流もあり、新しいひろばのできてくる兆しを感じますね。
新沢としひこ
確かに“イクメンブーム”を象徴するように、文章にも写真にも父親が主役の作品が出てきましたよね。
柴田
実際、育児休暇をとる男性は増え、「最初は会社が恋しかったけど、子育ての日常の中で効率を考え、家事や育児がついに仕事になった」といった父親の声を耳にするようにもなりました。
新沢としひこ
昔は所帯じみたイメージをもたれるからと、男性は滅多に育児の話をしませんでしたが、今は堂々と「家族が大事」と言えるようになりましたね。
奥山
夫と子育て支援センターで待ち合わせる作品がありましたが、実際、週末は父親の姿が増えています。子どもは勝手知ったるひろばで違和感なく遊び、父親は新聞を読んでいるといった光景も少なくありません。
中橋
受け入れる側も、もっと構えずに父親を受け入れることが大事ですね。
新澤誠治
育児に参加する若い男性が増えている一方、夫や舅の理解が得られず、まだリフレッシュ一時保育に子どもを預けることを「お前は子育てが仕事なのだから」と反対される例もあります。子育てひろばの活動がこうした偏見に新たな風を吹き込んでいく希望を感じています。
奥山
子どもがケガをしたら夫に「専業で見ているのにダメじゃないか!」と叱られたという声も時々耳にします。
柴田
まだまだ子どもの日常を知らない父親が多いのよ。
奥山
子育てひろばに来てどんどん子どもたちに関わってほしいですね。
柴田
ただボーッとしているだけでもいいのよね。父親が居るだけで場の雰囲気がゆるむことがあります。比較的キチッとした母親たちの中で、子どもたちにとってホッとできる存在なのかもしれません。
新沢としひこ
男性には、子どもみたいなところがあるので、例えば、一人でブロック遊びをしている男児の隣で、一緒に黙々と遊ぶうち、その子の隠れた個性が見えてきたり、友達のように響きあうものを感じたりすることがある。子どもへのアプローチが、女性とは違うからいい。自分が夢中になりすぎちゃ困るけど、そのままで子どもたちに接してほしいと思います。
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